26歳・女子・イラストレーターによるおじさん尾行日記
2008-12-19T16:50:21+09:00
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26歳・女子・イラストレーターによるおじさん尾行日記
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シップとつぐないのおじさんー前編
http://webmage.exblog.jp/10059050/
2008-12-19T16:49:25+09:00
2008-12-19T16:50:21+09:00
2008-12-19T16:50:21+09:00
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第6回 巣鴨ー前編
今回は巣鴨にやってきた。巣鴨は「おばあちゃんの原宿」と言われるがその通り、平日の午前中、年輩の女性でにぎわっている。ぺちゃぺちゃと話をするおばちゃん達で賑やかだ。おじさんといえば、夫婦で来ている人がほとんどで、ひとりのおじさんは少ない。どうしよっかな〜とふらふらしながらとりあえず、とげぬき地蔵尊へ向かう。やっぱり巣鴨に来たらまずお参り。買い物もご飯もその後だ。そういう人が多いのではないだろうか。
お寺の前には、大福や唐辛子、漬け物などの出店が並んでいる。そういえば家の七味唐辛子がもうすぐなくなりそうなことを思い出し、買うことにした。入れ物が十数種類あるので物色していたら「くださ〜い!」と常連風のおばちゃんがやってきた。「どれくらい?」「二千円分。この前のなくなっちゃったから。普通のと辛いのと。ここのはおいしいのよ。」「そうだよ、うちのはおいしいよ。じゃ、辛い方には大辛って書いておくからね。これおまけ。」テンポのいい会話をしながら、手際良く七味の薬味を調合して袋につめる唐辛子屋のおばちゃん。わたしも便乗して一番小さいのを買う。中身入りで500円。紙袋にいれて、ゴムでくるくるっとやってくれるのもいい感じだ。やっぱり巣鴨は楽しい。
ここでわたしのようにふらふらとお寺に入りそうなおじさんを発見したので、このおじさんに決める。
今日のおじさん。(イラスト)ベージュの帽子に上着、濃い灰色のズボンにごつめの靴。リュックを背負い、眼鏡をかけている。体型はどちらかというと細身で身長はふつう。年齢は70歳くらいか。
おじさんはまず入口でお線香を二束買い、帽子をとって門をくぐった。こういう気遣いは、どこでできるようになるんだろう、とふと思う。わたしも含め、同世代でできる人は少なそうだ。考え方の違いか、それとも年を重ねるといつの間にかできるようになるものなのか。
おじさんは、さきほど買ったお線香を香炉にいれる。一束だけでもう一束はまだ持っているようだ。煙に手をかざして胸、頭をさすっている。そして、一歩離れ両手を合わせ祈る。スムーズである。続いて御本尊へ。お賽銭を入れて合掌。わたしも本日二度目の合掌。次に洗い観音へ向かう。自分の悪い部分と同じところをさすると、ご利益があるという洗い観音だが、大混雑。観音様の前には大勢がコンパクトに並べるようにくねくねとした道ができている。おじさんもさするのかと思ったがそれはしないで、そこの香炉にお線香を置き、手を合わせる。そしてとげぬき地蔵を出て、帽子をかぶった。
それまで迷いのない行動だったが、お寺をでたところで急に立ち止まった。ポケットをごそごそさぐっている。出てきたのはチラシのようで「お買得!」とかなんとか書いてある。そしてきょろきょろしたかと思うと向いのお茶屋さん(海苔も売っている)に入っていった。そのチラシを店のお姉さんに見せ、これ、と指をさしてる。どうやら特価のお茶と海苔を買う様子。常連さんなのか、「これ、いつものと違いますけどこれでいいですか?」と海苔を試食させてもらっていた。いい感じのお姉さんである。「うん、いいよこれで」とおじさん。一袋ずつ購入する。店頭ではお茶を販売していて、無料でお茶を配っていた。さっきまでおばちゃんにお湯の温度をレクチャーする店員がいたが、今はいなかった。台の上には紙コップに入ったお茶が並んでいて、おじさんはそれをひとつ取って、ゴクッと一気に飲み干した。
それからお茶と海苔の入ったビニル袋をぶらさげて、商店街を駅のほうへふらふらと歩き始めた。巣鴨の商店街は独特である。なかでも目をひくのは、衣料品店の赤下着。女性用パンツがあるのは前から知っていたが、今では男性用のパンツもブリーフをはじめトランクス、ボクサー型まであった。とにかく真っ赤か。他には和菓子屋、お茶屋など。なぜかにんにく屋も多い。どの店も店員はほとんど店頭に出て呼びかけをしているし、お客さんも多いのでとてもにぎわっている。本当に活気のある商店街だ。こういう場所があると、歳をとってからも楽しそうだな〜などと考えたりする。
おじさんに目をもどすと、和菓子屋の前まで来ておじさんはお店に近付いていった。ここもやはりおばちゃんでにぎわっていたが、おじさんは気後れすることもせず、女性陣の間に入っていく。ショーケースをちょっと見るも心は決まっていたようで、「塩大福」と店員に伝え、巣鴨名物で有名な塩大福5ヶ入り630円を購入した。ところでこのお店、巣鴨に数件ある塩大福屋さんで一番おいしいと、雑誌で読んだことがある。おじさんも色々食べた結果、ここのお店を選んだのだろうか。]]>
わかりやすそうで、わかりにくいおじさんー後編
http://webmage.exblog.jp/10059001/
2008-12-19T16:35:00+09:00
2008-12-19T16:40:00+09:00
2008-12-19T16:36:39+09:00
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第5回 水道橋ー後編
ここらへんで、何か始めようとしているおじさん像がうかびあがってくる。「原稿たて」なるものを買っていたのでもの書きかなともちょっと思ったがあまりしっくりこない。
おじさんはひまわり館を出ると、さらに神保町のほうへ進む。そしてすぐ立ち止まる。「ありすぎだよ〜」とつっこみたくなったが、このあたりは道にも旅行パンフレットのようにカルチャーセンターのチラシがでていた。味のある通りだとばかり思っていたのでお金の匂いがしてちょっと裏切られた気分。まぁそんなものか。
おじさん、今度は書道教室のチラシを手にとり、オフィス・デポのビニル袋に入れた。とくにやりたいものは決まってないようだ。
ところでこの道の味わいの種となっているだろう古本屋に、意外なほどおじさんは興味を示さない。店に入るどころかちらりと横目で見ることもない。わたしが古本屋好きだから気になるだけなのかもしれないが、少し不思議に思う。
そんな道も終わってしまい、白山通りという大通りにでる。交通量も多く、尾行がばれにくくはなったが見逃さないか注意も大変。わたしは調子に乗っておじさんのすぐうしろにくっつく。ビニル袋の中をちゃんと見せてもらおうと思ったのだ。その距離1メートル。どれどれと思った途端おじさんがくるっとこっちを向いた。またまたエレガントに。
えっばれた!?と一瞬パニック!どうしようどうしようと思ったら、おじさんはわたしを見る様子はなくそのままUターン。スタスタとわたしのわきを抜けて今来た道を戻る。そして道沿いのドトールコーヒーへ入ってしまった。そういえばドト−ルの前を通る時ほんのちょっとだけ入ろうかと迷っている様子だったことを思い出す。途中で「やっぱりお茶してこ」ということになったのだろう。
ドトールではおそらくブレンドのSサイズを頼み、壁にむかって座るスタイルの1人用席に座る。さっきもらったチラシをごそごそとビニル袋からだし、何か書き始めた。遠くて何を書いているのかわかったのだけど、もらってきたチラシに記入しているように見えた。豆乳ラテをすすりながらおじさんを見ていて、座る姿勢も書く姿勢もきっちりしているなと思う。何枚も書いたのか10分くらい熱心に書いていたが終わるとガザガサとしまって慌ただしく出ていってしまった。急いで追い掛ける。
●398円のサンダルを買う
白山通りを東京ドームのほうへ戻っていく。途中薬局があり、おじさん立ち止まる。店頭の段ボールに山盛りに入れられた安売りのサンダルを見ている。398円。始終上品さをかもし出していて、「安売りのサンダル」とは無縁な感じだったので、冷やかしているだけかと思ったら黒っぽいものを手に取り迷わず購入。いさぎよい買い物っぷり。ちょっと意外に思ったが庶民的なところが垣間見え、リアルなおじさんを感じた。
また白山通りを行く。気付くと東京ドームに戻ってきた。わりと歩いたような気がしたがそうでもなかったようだ。階段を登って東京ドームシティへ。今度は2Fにあるエディー・バウアー(アメリカンカジュアルな服屋。ほどよく品がよいと思う。)に入る。ダウンやコートなどの冬物を見ている。ちょうど寒くなってきたのでそんな時期だなと思う。手にとって見ていたが試着するような様子はなく、ちょっと見てでてきてしまった。
そしてそのまま、エレガントな足取りのまま、地下鉄の後楽園駅に入っていった。
結局このおじさんがもの書きかどうか分からなかった。もの書きにしてはあくがない気がするし、もの書きってあくがあるのかどうかも本当はわからない。隠居生活を満喫しようとしている風にも見えたけど、それだけではないような気もした。くたっとした生活臭は決して漂っていなかったが、独身には見えなかったので、結婚はしていると思った。奥さんがいて、立派な30歳くらいの息子がいそうな気配もする。その息子にはわりと尊敬されてる気配もした。わかりやすそうで、わかりにくいおじさんでありました。完]]>
シップとつぐないのおじさんー後編
http://webmage.exblog.jp/7880057/
2008-12-02T18:59:00+09:00
2008-12-13T18:05:46+09:00
2007-12-30T15:40:26+09:00
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第6回 巣鴨ー後編
出てくると、また駅のほうへ。商店街を出たところにある真性寺に入っていった。ここは江戸六地蔵尊のひとつとで、いつもは立派なお地蔵様がらしゃっるのだけれど、今日はいらっしゃらず、代わりにショベルカーがいた。どこかに安置されているのだろうか。おじさんはお賽銭を入れ手を合わせると、そそくさとお寺をあとにした。
そして再び巣鴨駅のほうへ歩き、信号を渡る。するとそこには演歌専門レコード店があり、ちょうどイベントが始まろうとしていた。女性若手演歌歌手のCD発売記念イベントである。おじさん、見向きもしないかと思いきやずんずん歩いて一番前まで歩き凝視している。
さすが巣鴨!CDを売る店員もやはり、おじいさんに近いくらいのおじさんであった。赤いエプロン姿のおじさんがふたり、両手にCDを持ち、にこやかにリズムをとっている。「愛をーつぐなーえばーー別れーになるーけどー」テレサ・テンの名曲「つぐない」をカバーした というわけで、わたしも知っているあのせつないメロディが響き渡る。それが終わるとデビュー曲だという「東京ブギウギ」が始まった。先ほどと正反対の明るいメロディが始まったとたん、おじさんはその場を離れた。好みじゃないのかなと思ったら、ちょっと離れた人の少ないところで立ち止まり、リュックをおろし、しゃがみこむ。リュックをごそごそとやっている。先程買った大福やお茶をリュックにつめているようだ。ペットボトルのお茶も取り出し、そこで一息。それから、水色のお弁当袋のようなものをだした。
そして今度は正面の少し離れたところへ移動し、柱によっかかりながら歌を聞き始めた。
しばらくして動き出したので、帰るのかと思ったが、なんとUターンでさっき渡った信号をまた渡って戻ってしまった。そしてそのまま薬局に入り店員に何かをたずね、あるコーナーへ向かった。近付いてみると湿布のコーナーであった。先程しゃがんだ時に膝が痛い事でも思い出したのだろうか。ひとつひとつ手にとって湿布を見比べている。ずいぶん迷っているようで、なかなかレジへ持っていかない。わたしはおじさんを見つつ店内をうろうろしているので、店員に万引き犯と思われないか冷や冷やした。一応ハンドクリームで迷っている風を装いやり過ごす。しばらくして、おじさんは「ラクールシップ 28枚入り」980円を購入した。
薬局を出ると、今度は通路に設置してあるベンチに、道路側を向いて座った。そしてまたリュックをごそごそやっている。購入した「ラクールシップ」をしまっているようだ。お茶もとりだし、一息ついている。そしてさっきお弁当袋に見えた袋はその通りみたいで、中からラップにくるまれたおむすびがでてきた。たしかに時計を見れば12時23分。ちょうどお昼の時間だ。道路向こうではまだ演歌歌手が「つぐない」を歌っている。ベンチは、離れているものの歌手のちょうど正面にあり、おじさんは特等席で、歌を聞きながらの昼食タイムとなった。おかずはないようで、おにぎりとお茶の簡単なお弁当だったけどおじさんはとても満足そうだった。
演歌歌手のイベントが終了と同時におじさんの休憩も終了。全部リュックにつめて、巣鴨駅に向かった。完]]>
わかりやすそうで、わかりにくいおじさんー前編
http://webmage.exblog.jp/7869337/
2007-12-27T15:06:00+09:00
2007-12-27T15:12:50+09:00
2007-12-27T15:06:09+09:00
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第5回 水道橋ー前編
おじさん尾行5回目。さすがに5回目ともなると慣れがでてきた。自分の「おじさん尾行スタイル」ができつつあることに気付く。地味目の服装(黒、グレー、茶色が基本)、歩きやすい靴(おじさんは意外と歩くのが早いので小走りになる時もしばしば)、ショルダーバック(道具をすぐにとりだせ、なおかつ両手があく)。そしてバックの中身はメモ帳、ペン、デジカメ(Nicon COOLPIX。世界最速の高速起動でおじさんの変化を見逃さない)。それから途中で行けないのでトイレに行っておくことも重要。
今回は最近知人に教えてもらってから最も気に入っている、「ウインズ後楽園」へ行く。ここは場外競馬場と言うのだろうか。競馬に関する知識がないのでわからないが、本物の馬がいないこと以外は競馬場と同じだと思う。馬券を買ってテレビでレースを見て、払い戻しもここでやってもらえるそうだ。8階まであるビルはすべてがそれなのですごい。みっちりおじさんである。しかもわたしが描きたくなるタイプの味のあるおじさんばかりなので大興奮。色も匂いも音もすべてが灰色なあの空間は「THE日本」という感じで本当にいい。そんなわけで最近はそこへ行って写真をとりためているので、おじさん尾行もぜひここでやりたいと思ったけれど、なにしろここのおじさん達は動かない。じっとしている。テレビと競馬新聞を熱心に見ることしかしていない。そこがよさなのは気付いてないわけではなかったが、尾行にはむかないことを再確認して残念な気持ちになる。そしてこのよさはやはりイラストにするのが一番だと思う。
後ろ髪をひかれつつウインズ後楽園を後にし、奥の階段を登ると東京ドームがある。一転してさわやかな空間がひろがる。よさそうなおじさんを探しつつぶらぶらしていると向こうからいかにも紳士といった雰囲気のおじさんがエレガントな歩き方でやってきた。妙に色気のある歩き方なので気になり、気になりついでにそのおじさんについていくことにする。
●姿勢のいいおじさん
今日のおじさんです。
襟付きのシャツにジャケットにチノパンというおじさんの定番スタイルですが、シャツには赤と青の細いラインが入っていたり、ジャケットもジャストサイズだったりとこだわりが見られます。だるっとしたおじさん臭は決してしないながらも、きめすぎていないところがいい感じです。バックは一見吉田カバンのものかと思いましたが違いました。斜めがけというところもきめすぎない感じでよいです。身長は170センチあるかないかくらい。顔だちも上品。白髪の似合う二枚目です。ただ、整ってはいるけど特に特徴もないタイプでした。時代劇の「水戸黄門」にちらりとでてきて、江戸の町で笑顔で黄門様とすれ違ってそうです。
おじさんは腰をくねくね、腕を大きく降って背筋を伸ばして姿勢よく歩く。足を腰から前にだすようなモデルのような歩き方だ。東京ドームをぬけて水道橋駅の方へ。電車に乗ってしまうかもと、いつものようにひやひやしたが、そのまま通過。水道橋西通りをスタスタと軽快に進む。数十メートルおきに信号がありおじさんはもちろんとまるのだが、一度まっている時にジャケットのポケットから小さい紙切れを取り出し見ていた。何だろうと急いでかけよってみたが、字が小さくよく見えなかった。もうちょっと近寄ろうと思ったがすぐにしまってしまった。おそらく領収書か何かであった。
東京ドームからもう10分くらい歩いている。水道橋西通りは終わり専大通りに入った。
●「原稿を立てかけるもの」を求めて
一体どこまで歩くのだろうと思っていたら、左側に突如出現した赤い看板の「オフィス・デポ」にスイッと入った。曲がり方もエレガントだ。でもオフィス・デポとはちょっと意外であった。店内に入ったおじさんはめがねをかけた。めがねをかけるとますます紳士なこのおじさん。左手をズボンのポケットにいれ、ゆっくりと商品を見ている。ファイル、筆記用具と見ていくが、特に探し物はないようなかんじだった。が、思い出したようにレジに行き「えー原稿を立てるようなものはありませんか」と店員さんに聞く。わたしには「原稿を立てるようなもの」という存在がよくわからなかったのだが店員さんは解したようで「あー立てかけるやつでしたらあちらにあります」と案内した。おじさんは店員さんに教えてもらった商品をしばらく見ていたが納得がいかないのか手にとることはなく他のコーナーを見始めた。あっちへ行ったりこっちへ行ったりくまなく色々見ている。わたしも見つからないよう、見逃さないようおじさんを追い掛ける。おじさんはもう他にはないと判断したのか先程店員さんに教えてもらった商品を持ってレジへ。その商品とはカタログなどを立て掛けるたぶんディスプレイ用のもので、一体何に使うのか疑問が残る。
買い終えるとまたスイッと外へ。専大通りを水道橋のほうに少し戻り角を入る。古本屋がぽつぽつと見えて神保町が近いことを感じさせる通りだ。やっぱりこういう通りにはおじさんがしっくりくるなぁとうなずくわたし。こういう時、つくづく自分が女(しかも童顔)なことを損だと思う。
●太極拳に関心が
おじさんはスイスイと歩き、いつのまにか趣きのある建物の中に入ってしまった。東方学会ビルと書いてある。「なんだここの職員か…尾行も終わってしまった…」とわたしをがっくりさせるような慣れた足取りだった。諦めつつのぞいてみるとガラス戸の向こうにはおじさんがまだいた。入口付近に貼ってあるものを見ている様子で、しばらくすると出てきた。よかった。そして今度は外にあるチラシを熱心に見てビリっとちぎって持っていった。急いで近寄って見ると、それは太極拳教室のチラシだった。他にも中国語講座など中国系の習い事関係のチラシがつるしてあった。わたしも太極拳にわりと興味があるので、こんな雰囲気のある建物でやるならよさそうだなと思う。なかなかいいところを教えてもらった。
細い道を進んで右に曲がり、おじさん今度は「神保町ひまわり館」というところに入る。千代田区神保町出張所・区民館と書いてある。ここはカルチャーセンターの宝庫のようで色々な催しのチラシが、御自由にどうぞと並べてある。おじさんは、なんかいいのないかなぁというふうにしばらくうろうろしていたが、ぴんとくるものはなかったのか手に取ることはなく終わってしまった。
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番外編「おじさんと行く温泉旅行/その3」
http://webmage.exblog.jp/7579163/
2007-10-15T13:12:00+09:00
2008-12-13T18:04:19+09:00
2007-10-15T13:12:45+09:00
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番外編 おじさんと行く温泉−3
朝風呂に入ってから、食事の部屋へ。昨日と同じ席順で座る。
さわやかな私たちとは対照的に、完全にお酒がのこっている様子のおじさん達。やはりカラオケの後も飲み、こたつで寝たそうだ…。佐藤さんは完全に夜の顔で、目のまわりが赤い。しんどそうでありつつも笑顔でなんとビールを! 「向かい酒」。聞いたことはあったがやっている人を見るのは初めてで驚いた。あきらさんはわりと普通だったが、もう酒はいいやといった様子。一番ひどいのは堺さん。もうぐったり。「大丈夫ですか〜?」と聞くと、力のない笑顔がかえってきた。
朝食を済ませ、出かける準備をする。
今日は湯河原の梅園へ寄ってから東京へ帰るという日程。
そういうわけでタクシーで梅園へ。あきらさんは、昨晩泊まった宿の評判や、最近の湯河原の状況をタクシーの運転手さんに聞いていた。そうこうしているうちに梅園に到着。まだ5分咲きくらいだったが賑わっている様子。入口で入場券を買い、甘酒をもらえるチケットをもらう。
6人で山肌を歩き始める。
山になったら急におじさん達を小さく感じる。とぼとぼとした様子だったので、後ろのおじさん達を気にしつつ歩く。堺さんなんてついてくるのが精一杯といった様子で、だらんとしており梅を見ている気配もない。梅見物といっても、5分咲き程度だと華やかさはなく、だからといって枝をながめて静かにゆったりできる場所のもないので、梅林見物というのはなんともどうしたら楽しめるのかよくわからなかった。
ふもとは、屋台がでていたり、遊園地にあるようなテーブルやイスもセットされていて、とても賑やか。さっきのチケットで甘酒をもらいイスに座る。ふと後ろを見ると堺さんがうつむいて座っている。「堺さん、だいじょうぶですか〜?」と聞くと「う〜ん、だめ。地面が揺れてる」と堺さん。わたし苦笑。堺さんは気持ち悪いらしく、会話にも入ってこない。そっとしておく。
ここで佐藤さん、なんと地酒を発見し、「寒いし熱燗で飲みたい」と言い出す。「えっ…」あきらさん、堺さん含め全員で呆れる。「だって地酒だよ〜おいしそうじゃない、ここまできたら飲むしかないよ」と佐藤さん。「一つ買うから飲みましょうよ」とあきらさんに提案するが「もういいよ〜」と断られる。堺さんにも提案したが「いや、いらない」とうつむいたまま返答。女性陣苦笑い。そんな中「そう〜? 飲めるよ〜」と買ってきて「あったまるな〜」と結局一杯飲んでしまっていた。恐るべし佐藤さん。
またタクシーに乗って湯河原駅へもどる。お昼を食べようということになり、佐藤さんがタクシーの運転手さんにこのあたりのお店を聞いてくれたので、そこへ向かう。歩く事10分。趣のある和食屋さんを発見。入ろうとすると喪服の人が数人でてきた。嫌な予感。「法事の為貸しきり」と貼り紙をみつける。けっこう歩いたので一同落胆する。「あれ〜困ったな」とあきらさん。「こんなに歩いたのに」と堺さん。「あれーごめんごめん、じゃああのそばやにいきましょう」と明るい佐藤さん。そんなわけで、おいしそうな和食屋さんを後にし、来る途中にあったお蕎麦やさんに入る事にする。昼時のため混んでいたので全員一緒には座れなくて、わたし達、おじさん達で別れて座る。わたしは「胡麻ダレ豚しゃぶそば」という邪道なものを頂くがとてもおいしかった!
また来た道を歩いてもどり、駅前のお土産物屋さんでかまぼこを見る。ここでは各人ばらばらにかまぼこに集中していた。わたしも試食したりしてお土産屋さんを堪能。
いよいよ旅も終盤に。これで1泊2日の温泉旅行も帰るだけとなる。行きと同じく、佐藤さんに切符をもらい乗り込む。行きと同じ席順で座る。帰りの電車は仕事の話でもりあがる。わたし以外、全員同じ業界なので、昔の事情や今の状況を話していた。わたしは3割くらいしかわからなかった。そしてだめ押しでおじさん達はお酒を飲んでいた。3人とも1缶くらいだったものの、佐藤さん堺さんはビールを。あきらさんは酎ハイを飲んでいました。
そんなこんなで東京駅に到着。佐藤さんにかまぼこセットのお土産をもらう。湯河原のお土産物屋さんで買ってくれたのだった。「どうもありがとう!」と言われ、「どうもありがとうございました!」と言いホームで別れる。濃すぎた1泊2日の温泉旅行は無事終わりました。
実はこの旅行に行ったのは半年ほど前だったけど、旅行直後は全く文章にする気がおきなかった。なぜなら濃すぎたから。濃すぎて、思い出してまとめることを考えるとなんだかぐったりした気分になった。
わたしは旅行に行ったら、その日その場でスケッチブックにあれこれ書き残すのを楽しいとしていたので、間を半年空けたということでどんなに強烈だったかがわかった。
いまだに気になるのは、佐藤さんが心配していた友人のこと。その人は旅行代を払うのだろうか、佐藤さんは怒ったのだろうか、あ〜それを考えるとまたぐったりしてきた。でも佐藤さんのことだから「まぁしょうがないよ」と一緒にお酒を飲んでいるはずだ。完
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番外編「おじさんと行く温泉旅行/その2」
http://webmage.exblog.jp/7579139/
2007-10-15T13:03:22+09:00
2007-10-15T13:02:47+09:00
2007-10-15T13:02:47+09:00
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番外編 おじさんと行く温泉−2
前菜 、小鉢、 酢の物、 鍋物、 お造りと旅館らしいお食事がつぎつぎと出てくる。
おじさん達はもちろんお酒がとまらない。佐藤さんはビールから焼酎へ。堺さんはずっとビール、あきらさんは早々焼酎。持参の一升瓶がどんどんなくなっていく。
なんとなく、おじさん1人に女子1人という形となる。わたしは堺さん担当。今までの仕事の経緯なんかを話してくれてた。よく聞いていると、堺さんは絵がうまかったらしく漫画家になりたかったようで、わたしがイラストレーターということが「漫画家になりたかった熱」を再燃させてしまったらしい。「昔は漫画家になりたかった…学校ではけっこう絵がうまくてね…」と次第に話に熱が入る。そして酔っぱらっているので同じことの繰り返しになっている。さっき聞きましたよ〜と言おうと思ったが、もはやわたしの言葉が耳に入る余裕はなさそうだったので、あきらめ、聞き続ける。もくもくと食べながら「へー、なるほどー、そうですよねー」を繰り返す。
そんなこんなしているうちに、佐藤さんとあきらさんがちょっともめている。
実は今回もう1人いらっしゃる予定で、予約もしてあったらしい。遅れるのは分かっていたものの、夕飯時になっても来ないし、連絡も何もないらしい。
佐藤さんは合間を見ては携帯電話をとりだし、電話をしている。
「いや〜どうしたんだろ」
「もう来ないよ、やめとけよ」とあきらさん。
「いや、こないのはいいんだ、ただね、一言連絡するのが礼儀ってもんでね」と佐藤さん
「だから、いいよ、来ないってば」
「いや、でもね事件に巻き込まれてるってこともあるし…お金持ちのやつでね、考えられるとしたら事件なんだよ…」と佐藤さん。
詳しくは全く分からないのだが、今回来るはずだったもう1人のおじさんはどうやらちょっとしたお金持ちらしい。
「だから〜、もう来ないよ。事件に巻き込まれてたら明日の朝ズバ見ればわかるだろ。ワハハ」
「いやいやそれはまずいでしょ、そうは言ってもね〜事故ってこともあるし」
「だから〜もういいってば!」
「いや、こないのはいいんだ、ただね一言連絡するのが礼儀ってもんでね」(9行前に戻る!)
どちらもひかないおじさん二人。佐藤さんはこりずに電話し、あきらさんもこりずに「もうやめろ」と言い続ける。
佐藤さんが電話する度、この漫才は一通りおこなわれており、わたしはおかしくて耐えきれずゲラゲラと笑ってしまった。計5回はやっていた気がする。
そして隣には、笑ってるわたしを気にもせず、漫画家になりたかった経緯を熱心に話す堺さん。
おじさんて自由。
食べまくり、飲みまくり、気分のよくなってきたおじさん達はカラオケに行くという。仲居さんに聞いてみると夜10時まではカラオケルームは使用中ということ。まだ1時間以上時間があるので、部屋で飲んで待つことになった。おじさん達のほうの部屋のこたつに集合し、焼酎の水割りを飲みながらあきらさんの会社の話などを聞く。
「あきらさんの熱心さには頭がさがるよ〜」と佐藤さん。「熱心というか、ただ一生懸命でね」。今度はおじさん達の誉めあいが始まる。ここではとてもいい話が聞けたはずなのだが、この頃わたしもなかなか酔っぱらっていて、記憶がさだかでないので省略します。ごめんなさい!
おじさんの、がんばってきたんだろう、年の厚みが見えてくる会話が続き、なかなかいい雰囲気となる。が! また佐藤さんが電話を始め、例のやり取りが…
はぁとさすがにため息。でもやはりおかしい。
そんなこんなでカラオケが空く時間になったので、一階の「からおけすなっく弁天」へ。カラオケといってもカラオケボックスではなく、スナックだった。いわゆる「ママ」がいるやつです。
最初に誰が歌ったか忘れてしまったけど、酔っぱらっていたし、スムーズに始まる。
わたしも、キャンディーズの「年下の男の子」を笑顔で歌う。やればできるもんだ。
わたしの世代の場合、盛り上がると椅子の上に立って踊り狂ったりするが、おじさん達の時代は盛り上がれば盛り上がるほどしっとりとし始めルンバ? とかそういうたぐいのを男女で踊るようだった。で、おじさん達は踊ろうとし始める。わたしとしてはそういう習慣もないし、酔っぱらっていても踊るのはちょっと嫌だったので、滑稽にマラカスをしゃかしゃかして席を離れ逃げてみる。しかしわたしを見る堺さんの目は笑っておらず…あの時ばかりは少し恐かった。そんなわたしに気付いたせっちゃんは救いの手を差し伸べ、堺さんに歌をすすめる。
そんな堺さん、名誉挽回、びっくりなことに歌がものすごくうまかった。うますぎてひいてしまったほとだ。歌手になれたんじゃないだろうか?サブちゃんの「祭り」を熱唱していたがまるでディナーショー。からおけすなっく弁天のママも大絶賛。堺さん、ずっと歌ってて!と心の中で叫ぶ。
堺さんを筆頭に、このメンバーわたしをのぞいて全員歌がうまかった!
せっちゃんが歌がうまいのは知っていたけど、静かにしていた大人なようこさんも、歌い出したら別人!山口百恵の「プレイバック」を振り付けつきで雰囲気満点で歌いこなす。
あきらさんもハイテンション。「あ〜若い人はいいなぁ、ぼくは今日たのしい、本当に楽しい」とたのしいを連発!なんだかそれを見ていたら妙に楽しくなってきて、こうなったら楽しんじゃえ!とダンスもこなす。ママやもう1人の若めのお店の女性まりこさんも巻き込んで楽しいカラオケとなった。
ここらへんで突然知らないおじさんが入ってくる。「すみません、いいですか〜」「いいですよ〜」ともうわけのわからない状態だった。そのおじさんは勝手に加山雄三メドレーをいれ歌い切った。なかなかハンサムめのおじさんで歌もうまかったが、堺さんの歌には「うまいな〜」と悔しい表情。しかし遠慮なく2、3曲加山雄三を歌うと満足したのか「どうも〜!」と言って出ていった。
閉店の夜12時もすぎて結局1時くらいまでいた。またしても歌いまくり、飲みまくり。
上機嫌でからおけすなっく弁天を出て部屋にもどる。
おじさん達はまだいけそうな雰囲気だったが、そこには気付いていないことにし、さっと部屋へ。女性陣はバタンキュー。おじさん達はその後も飲んでいるようだった。
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番外編 「おじさん達とゆく温泉旅行/その1」
http://webmage.exblog.jp/7461245/
2007-09-18T21:42:00+09:00
2008-12-13T17:45:46+09:00
2007-09-18T21:42:03+09:00
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番外編 おじさんと行く温泉−1
幼なじみのせっちゃんから突然メールがあり、「仕事でお世話になっているおじさん達と温泉旅行に行くんだけど、るみちゃん行かない? セクハラなどは一切ないから!」と。怪しい気もちょっとしたが、このようなものを書いているわたしとしては、タダでいい宿に泊まってネタもつかめる! こんなチャンス2度とないぞとふたつ返事で行くことを決めました。
さて当日、集合は東京駅に10時。10時ちょっと前に待ち合わせ場所を探しているとせっちゃんの電話が鳴った。「どうしたんだ?迷ってるのか?」と催促の電話。わたし達2人以外はすでにそろっているらしい。時間きっちり。前途多難な予感がしました。着くとそこには3人のおじさんとわたしより少し年上の女性がおりました。
ここで今回の登場メンバー6人を紹介します。(すべて一応仮名)
○あきらさん
一番年輩。大変まじめで、仕事を愛している。
○佐藤さん
一番若手。酒豪。おそらく一番の若手ということでガイド役をやらされていた。
○堺さん
年はあきらさんと佐藤さんの間くらいだと思う。ちょっと中年太り気味。新婚?らしい。
○ようこさん
佐藤さんつながりで、今回参加となった。年はわたしより少し上、かつ営業職なのでしっかり者。あねご肌。
○せっちゃん
幼稚園からの幼なじみ。家族ぐるみのつきあい。
○わたし
わたし達が到着して全員集合。紹介もままならないうちに、お弁当を買いにデパートへ行くことになる。
「好きなものを買いなさい」とあきらさん。ここからおじさんの気前のよさが炸裂し始める。会ったばかりの人にお弁当を買ってもらうのはさすがに気がひけたが、ずっと食べたかったお弁当を発見したので、買ってもらった。佐藤さんとようこさんは、中華のおかずと、お寿司を半分ずつするというようにしたみたいだった。他の人はお寿司を買っている人が多かった。そしておじさん方はお酒をけっこうな量買い込む。ビールと酎ハイ。わたしも350ml缶のビールを買ってもらった。買ってもらってばかりでは悪いと思い、女性陣でデザートのいちご大福を買う。ゆっくりお弁当を買っても電車の発車時刻まではあと1時間くらいある。
集合早いよ〜という気持ちでいっぱいだ。どうもあきらさんが時間を心配しているようだった。
構内の休憩所で座って待つ。女性陣はお決まりのようにトイレにいったりして時間をつぶす。もちろんわたしも。
20分以上前だがホームへ行くことに。佐藤さんに切符をもらう。グリーン車だ。
4人の箱席にあきらさん、堺さん、せっちゃん、わたし。隣の2人席に佐藤さんとようこさん。「ぼくとでいいの?悪いね」と佐藤さんはようこさんに気を遣っていたが2人ともお酒好きなので徐々に打ち解けたようだった。こちらの席もちょっと緊張はしていたものの、仕事の話など話し出す。わたしがイラストレーターということもここで言った。おじさんを描くのが好きというのも言ったのでちょっとびっくりしたようだったが、おもしろがっていただけたのでほっとした。「ぼくら描かれちゃうなー」と言うので「いやいや〜」と流したが思いっきりここに描いてしまっています。ごめんなさい。
おじさん達はお弁当を食べ終わってからがんがん飲む。1人、ビール500ml缶3缶は飲んでいたんではないだろうか。しかしそれでは足りないらしく、車内販売でも追加で買っていた。わたしのまわりにはそんなに酒豪はいないので、ちょっとびっくりする。堺さんはせんべい持参。ピリカラのちっちゃい揚げせんべいで、ビールがすすむ。少しほぐれてきたかなーところでもう湯河原に到着。早い早い。グリーン車はなるほど快適だった。
駅からはタクシー移動。悠々だ。ちょっと寂しい温泉街をぬけて宿に到着。立派なところである。着くとおかみさんが迎えてくれて、こぶ茶をいただく。部屋に案内され、この旅初めて、女子3人だけになる。でこたつに入りほっと一息。夕飯までは時間があったので、近くの足湯までいってみることにする。
行く途中、温泉街らしい射的屋を発見。玉で変な人形打って何が楽しいんだと思っていたけど、当たると爽快感があり、わりとおもしろかった。
しかし景品は本当にいらないものばかりで、「何もいらないですからこの人形一つ下さい」と的の人形をもらおうとしたが、おばさんにニコニコと、「それはだめなんですよ〜」と言われたのであきらめた。しょうがないのでワニの形をしたプラスチックの首からさげれるしゃぼん玉をもらった。が、液はすべてでていて、中はからっぽ。まわりは濃縮されたしゃびぼん玉液でべっとりだった。
少し歩いて「独歩の湯」に到着。公園内に足湯広場のようなものがある。いろんな足湯があって、老若男女がずぼんをまくりあげ足を湯につける光景はちょっとおかしい。体もぽかぽかしてきてなんとなく旅行気分になってくる。お腹減ってきたね〜と途中でお水やみかんを買って食べながら宿に戻る。
部屋に戻り隣の部屋の様子を伺うともう浴衣で飲んでいるご様子。
ようこさんは仕事が忙しいらしく、電話がなりやまない。大変そうだ。せっちゃんとわたしは一足先に温泉へ。幼なじみのせっちゃんとは幼稚園からずっと一緒で、近所で会ったりするけど温泉にきたりするのは本当に久しぶりなのでちょっとしみじみ。
さて、温泉にもつかりメインの夕食!部屋食ではないので、あきらさん達に声をかけて、食事の部屋へ向かう。佐藤さんの手には焼酎の一升瓶が。。
部屋は15畳くらいの畳の部屋。向かいあうように、席がつくってある。わたしは一番はじっこの下座にあたるところに。わたしの右隣に堺さん、そしてせっちゃん、あきらさん。わたしの前にようこさん、隣に佐藤さんというふうに座った。この6人しかいないはずなのに佐藤さんの隣にもう一席用意してある。なんだろうとは思ったがそこでは聞かなかった。]]>
中野で、5つの不思議と出会う尾行
http://webmage.exblog.jp/6816613/
2007-05-05T12:32:00+09:00
2008-12-12T15:38:33+09:00
2007-05-05T12:32:07+09:00
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第4回 中野ー後編
おじさんは迷う様子もなく再び駅へ向かう。嫌な予感がするがまさか薬局の主人に会うだけなんてことはないだろうと思っていたら、おじさんは駅を抜けて南口の丸井へ進んで行く。丸井といえばスーパーのピーコック! おしゃれな身なりとエコバックからしてピーコックに行く予感がしていたので、予想適中ににんまり。わたしのおじさん眼もするどくなってきた。
丸井の地下1階のスーパー、ピーコックへ向かうおじさん。おじさんは慣れた手つきでかごを手にするとさっそくお買得品の冷蔵コーナーを見始めた。そこで手にとったのは森永のカフェラッテ。よくコンビニなどで見かけるやつだ。数種類あったのでじっくり違いを確かめるおじさん。そして王道ではないエスプッレソタイプ(¥99)を2つかごに入れる。不思議3
●電子マネーを使いこなす
天ぷらや冷凍食品など並んでいるものを見ながらすすでいく。
次に手にしたのはコーヒーゼリー3個入り(¥188)。1つかごにいれる。まるで若い女の子のような買い物ぶりである。コーヒー好きということだけは分かった。
店内を奥へと歩き、続いてお買得品のバナナを1房(¥168)をかごへ。
次に野菜のコーナーへうつると、ネギを見る。見たものの買わず、くるっと向き直りじゃがいもを手に取りかごに入れる。そしてとなりの金時芋も見てみる、がこれは買わなかった。葉もののところに来るとすでに切って袋詰めしてある「ベビーリーフセット」を見る。がこれは買わない。
それからおじさんは移動、何か身長よりやや低い四角いの機械の前でとまった。お財布をごそごそしている。なんだろう、ポイントカードとかかなとおじさんの後ろにまわって見てみるとなんとEdyでした。電子マネーのEdyである。これにはびっくりした。今やスイカ、パスモなど電子マネーもずいぶんと普及してきて、わたしもキオスクでは電子マネーを使ったりするようになった。でもEdyはぜんぜん馴染みがなく、遠い存在だと思っていたのでおじさんが慣れた感じでEdyに1000円チャージしているところを見て驚いた。最先端をとりいれるおじさんに感心した。不思議4
さてチャージもすんで、買い物を続けるおじさん。今度は何を見てるかと思ったらレンジでチンするパスタみたいなものを見ていた。和食には全く興味がない様子。このおじさん、驚くほどおじさんらしくないチョイスを続ける。
その後も麺や漬け物、大豆加工品など一通りチェックしていたがかごに入れる事はなく、レジへ会計に向かった。
おじさんが買ったもの
カフェラテ(エスプレッソタイプ)×2 99×2円
コーヒーゼリー(3個入り)188円
バナナ 168円
じゃがいも 198円
会計でおじさんはレジ袋を断り、Edyでスマートに会計をすませた。
持っていた緑色の袋に買ったものをつめるとエスカレーターであがり外に出た。
●謎の逆コの字歩き
さて駅に戻って帰るんだろうと思っていたのに、ここからまた不思議なことがおこる。
駅の方に歩いていたがひとつ目の角を左に入っていった。曲がる時にちょっとあたりをうかがうのだけれど、迷っているわけでもなさそうだ。大通りにでるとまた左にまがる。最初のスピードはなくわりとゆっくりめに歩く。そしてしばらくまっすぐ歩くと角をまた左にまがった。そしてさっきいた丸井の前の道にでてきた。逆コの字に歩いた格好となった。散歩か?何かを探していたのか?路地が見たかったのか?散歩と思えば不思議ではないけれど、薬局のこともあるのでなんだか不思議に思えた。不思議5
丸井の前の大通りにでるとそのまま渡り、横断歩道を渡ったすぐのところの写真屋さんへ。ポケットからフィルムをだした。現像をお願いしたらしかった。
写真屋さんを出るとまた駅とは違う方向に歩き出した。そしてファミリーマートにより、缶ビール(おそらく500ml)を3缶購入した。もう駅に戻る気配はなく、どんどんと違う方向に歩き出した。大通りから路地に入って行き、住宅街をしばらく歩いていた。人が全然いないのでさすがにばれそうだと重い距離をとっていたら角をまがったところで見失ってしまった。
完
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中野で、5つの不思議と出会う尾行
http://webmage.exblog.jp/6756017/
2007-04-20T18:00:00+09:00
2008-12-12T15:36:02+09:00
2007-04-20T13:41:42+09:00
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第4回 中野ー前編
おじさん尾行第4回目。暖かくなってきて自転車が気持ちいい季節ということで、今回は家から自転車で15分で行ける「中野」でおじさんを探すことにする。
今回は、いくつかの不思議と出会う尾行だった。書きながら、その不思議を数えてみることにする。
●抹茶アイスおじさん
今までの失敗(トイレに行ったため見失う、ずっと追いかけたけど、駅に行って終了)をふまえて、まずトイレに行ってから駅へ向かう。中野駅北口は休日ということもあってか人が多い。老若男女、層は広い。いないだろうと思っていたカップルもけっこういるのには少し驚いた。
おじさんもわりといる。春だし、のほほんとした感じのいいおじさんについていきたいなぁ、なんて思っていたら、抹茶アイスのような色のセーターを着た感じのいいおじさんを発見。よさそうだったが、まだ待ち伏せして間もないし、そのおじさんがわりと早足なのが気になってやめる。が、なんだか目で追ってしまったので直感を信じてその抹茶アイスおじさんについて行くことにした。
そんなわけで今日のおじさんです。
どれも高級品という感じはうけなかったけど、違う生地を組み合わせた帽子に、春らしい色のセーター。中にはボーダーのタートルネックで靴はピーコックブルーのモカシン、持っている袋も緑で感じのいいおしゃれなおじさんだと思った。左の薬指には凝ったデザインの指輪をはめていてここにもこだわりを感じた。
●随園別館で何を作ったのか
おじさんは思った通り中野サンモールへ。あぁよかったと思うのも束の間、このおじさん歩き出したら速い!人の間をぬってどんどん進むのでついていくのがけっこう大変だった。サンモールが終わり、ブロードウェイに入る手前のところでおじさんは右に曲がる。まがった先には飲み屋さんやラーメン屋さんなどが充実していてる。
おじさんは緑のエコバックのような袋を持っていたので、てっきり買い物だと信じこんでいた。しかしここらへんは飲食店が多いので買い物ではないのか、おじさんは次の角をまた右にまがった。すると薬局の前でとまると、店の主人らしき人と店頭で話し始めた。どうやら知り合いらしい。おじさんはニコニコと嬉しそうであった。人が少なくあまり近寄れなかったので話の内容はよくわからなかった。ちょこちょこ聞こえてきたのは「ほら、ずっと家だからさ〜」「新宿にさ、随園別館てあるでしょ、わたしあそこで作ってもらって飲んでるんだよね」「じゃあ悪いね、お邪魔しました!」など。気になるのは「新宿にさ、随園別館てあるでしょ、…」の話。随園別館というのは新宿三丁目にある中華料理屋さんだ。とてもおいしくてわたしもわりと行くので知っていたからよく聞こえてきた。それにしても作ってもらってるってなんだろう。薬局の主人と話しているということや、二人の年齢からして薬用養命酒のようなもののことだろうか。それにしても随園で作ってもらってるなんて。このおじさん偉い人なのかな〜と思う。不思議1
主人に電話が来たのか、呼ばれたのか、話が盛り上がっているようだったのに、話はブツっと終わってしまった。おじさんはまた歩き出し、右に曲がるとさっきのサンモールのところに戻ってきた。コの字に歩いた格好になったわけだが、薬局は絶対に逆から歩いた方が近かったのに、大回りした理由はなんだろうと気になった。不思議2
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新宿にて おじさんと行く「全国うまいもの大会」
http://webmage.exblog.jp/6481259/
2007-02-14T23:12:46+09:00
2007-02-14T23:12:47+09:00
2007-02-14T23:12:47+09:00
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第3回 新宿2ー後編
電話が終わるとおじさんはまた「うまいものコーナー」へもどってきた。すぐに福太郎という福岡の明太子屋さんの前でとまる。形のくずれたお買得品の「切り子明太子」を勧められる。あまり乗り気じゃないようだったが、「それでいくら?」とすでに小分けにしたものの値段を聞く。店員さんは量って値段を伝えるが、「う〜ん」と言って買わない。次に並びにあった「いかのぶっかけ」という明太子との和え物を試食してみるが、それも買わなかった。
そこから、さっきチェックしていた埼玉県/紅葉屋本店へ直行。「五家宝」というお菓子を1袋購入。20本入り525円。味を知っているような雰囲気で、迷わず買っていた。直径2センチ、長さ8センチくらいの円柱状のおこしのようなものに、きなこがまぶしてあり美味しそうだった。
少し歩いて次は静岡県/野桜本店へ。ここはわさび漬けのお店。おじさんは商品を見てはいるが、あまり熱心ではない。どれかを手にとることもなくずるずると見ている。すると店員さんに「おいしいですよ、いかがですか」と声をかけられ、その途端おじさんはしゃべりだした。
「これ、保存できるの? すぐ辛みぬけちゃうんだよね、冷凍すればいいって言われたんだけど、辛みぬけちゃったんだよ。」買う気はないが文句だけ言いたいようで、店員さんが何を言っても「辛みぬけちゃうんだよ」を連発していた。店員さんもしょうがないと思ったのか「やはり、すぐ食べていただければ」とまとめると、「まぁそうなんだよね」と言い放ちその場を立ち去った。そしてそのまま歩いていって、壁に貼ってある会場案内図を熱心に見る。中腰になりくまなく見ている様子。
そしてまた「うまいものコーナー」へ戻る。するとさっきのわさび屋さんでノっちゃったのか、案内係の人に何か話している。すると店員さん「五平餅〜、あれもう終わっちゃんですよ、申し訳ありません」と返答。おじさん、五平餅を探していたのかと、すかさずわたしも手持ちの案内図をチェック。たしかにうまいもの一覧の中に岐阜県/木曽路物産の五平餅がおいしそうにうつっていた。
シメは生鮮食品コーナー
五平餅を買えなかったものの、おじさんはもう満足みたいで、スタスタと歩き出しうまいものコーナーを後にした。結局お弁当コーナーにはいかなかった。それでこのまま帰るのかなと思ったがもう少し尾行してみることにする。おじさんはエスカレーターで5階まで降りる。5階は紳士ものの服を扱っていてエスカレーターを降りたすぐのところにと「冬の底値市」コーナーが設けてあった。おじさんはそこのLサイズセーターをチェックする。ざーっとみて、いいのはなかったようですぐ見終わる。またエスカレーターでくだる。JRとの連絡通路がある地下1階まで降りてきたので、これでおじさんともお別れかと思っていると、なんと逆方向の食料品コーナーへ。まだ食べ物を見るようだ。よく来ているようで、迷う様子もなく生鮮食品コーナーへ直行。お刺身類を熱心に見ている。お買得なまぐろなど色々あったが、数も少なく地味に陳列されている明石刺身用の真たこが気になるようで1度手にとる。が戻してしまった。しかしお刺身ゾーンを端まで見ると、Uターンしさきほどのたこをもう一度手にとった。そして確認するようにもう一度よく見ると、そのまま持ってレジへ行った。会計を済ませたおじさんは、SuicaでJRの改札を通り、帰っていった。
今日のおじさんの買ったもの
鯖昆布〆620円
五家宝525円
刺身用たこ1028円
こうやって書いてみると、なんてイケてるチョイスなんだろうと、感心してしまう。茶封筒からお札をだしたり、途中で公衆電話から電話したり、わさび漬けの辛みについて愚痴を言ってみたり、このおじさん、とにかくおじさんらしいおじさんだった。きっと定食屋でもばっちり決めてくれるのだろうと思う。いろんなところでその魅力を振りまいてほしいと思う。期待しています。
完]]>
おじさんと行く 「全国うまいもの大会」
http://webmage.exblog.jp/6423888/
2007-02-03T06:00:00+09:00
2007-02-02T18:55:24+09:00
2007-02-02T18:54:54+09:00
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第3回 新宿2ー前編
おじさんの買い物ぶりを見る
おじさん尾行第3回目。今回も喫茶店待ち伏せ作戦をしようと、好きなコーヒー屋さんで待ってみるがなかなかいいおじさんに出会えなかった。寒いせいか、わたしの「おじさん眼」がにぶっているのか、よさそうなおじさんはすぐ帰ってしまう。困っていたら、新宿の京王百貨店で「第42回 元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」をやっているのを知る。思い出すと、ああいったイベントはおじさんが多いではないか! ということで、今回はおじさんの買い物ぶりを見せてもらうことにした。
まずは、7階の大催場に一番近いエスカレーターで待ち伏せ。ぶらぶらとやって来ましたといった感じのおじさんを探す。人気のイベントだけあって人が多い。おじさんも多いが、デパートのせいか夫婦がほとんど。1人のおじさんはなかなか来ない。それでもしばらく待っているとなんとなく買い物しそうなおじさんを発見。決め手は少しぼんやり、ゆっくり歩いていたから。そんなわけで今日のおじさんです。
おしりまですっぽり隠れるあたたかそうなコートに、黒いズボン。靴も黒でした。少々大きめの茶色いバッグ(革かビニールかは不明)に何が入っているのかが気になります。
入口では店員さんが会場案内図をくばっているが、おじさんはもらわなかった。もらわないってことはそんなに乗り気じゃないのかも、と心配になったけれど、その先に置いてある会場案内図を自分で取っていた。それにしてもこのイベント、ニュースにも取り上げられるくらいだから本当に混んでいる。入口には総合案内が設置してあり、常時6〜7人の店員が待機。会場案内図や大きな紙袋をくれたり、お弁当の場所を教えてくれたりする。「ひらがな順駅弁早見表」なるものもあり、あいうえお順にお弁当が表記されている。売り切れたものには赤い印がついていて準備万全だ。わたしも、気になっていた「だるま弁当」について聞いてみるが、もう売り切れとのこと。残念でした。また、お休み処もあり、買ったお弁当を食べることができる。
会場は「駅弁コーナー」と全国各地の物産を集めた「うまいものコーナー」の大きく2つに別れている。おじさんはまず「うまいものコーナー」へ。人混みをかきわけ進んで行く。
おじさんは歩きにくそうだが、人が多いので、至近距離で尾行ができてわたしには都合がよい。わくわくしてると、おじさんはさっそく石川県/錢福屋さんという海産物や漬け物のお店へ。着くやいなや「子持ちにしん」を試食。他にも「かぶら寿司」などおいしそうなものがあったけれど、おじさんはそっちには興味がないようだった。わたしも真似して試食してみる。酢でしめたにしん。どこに子持ちの子がいるのかはわからなかった。味は濃いめ、お酒にあいそうなうな味だった。おじさんは一切れ食べると、好みでなかったようで買う様子もなく立ち去る。
大きいので悪いけど
おじさんは、まわりを見つつも探し物があるような感じで歩いている。「何かおいしいものはあるかなぁ」ではなく「あれを買うぞ」という感じだ。あいかわらず混んでいる店内を奥へと進んで行く。今度は青森県/武輪水産へ。一番の売り出し品である鯖昆布〆を試食。おじさんは酢でしめた魚が好みのようだ。ここは〆鯖が有名みたいで他にもシソなど数種類あった。おじさんは昆布〆を食べた後ほかのものも試食。
けっこう色々食べた後「これ一つちょうだい」と鯖昆布〆を指さす。1枚610円のところを店員さんに「2枚で1050円にするよ」と言われていたが「いや、いい」と断りお金をだす。が、かばんから出て来たのはお財布ではなかった。でてきたのは茶封筒。それには何か印刷されていた。会社名のように見えたからお給料だろうか。でも何て書いてあるのかは見えなかった。茶封筒から取り出した1万円を「大きいので悪いけど」と店員さんに渡す。
さきほどの「いや、いい」と「大きいので悪いけど」を聞いて、このおじさんはあたりだなと思う。いいおじさんの目安に言葉使いがある。いい具合を説明するのは難しいのですが、分かりやすいと思うのは昼の定食屋で定食を頼む時。頼み方は「焼き魚定食お願いします」、「焼き魚定食」。だいたいこの2つだと思うが断然「焼き魚定食」のほうがいい。あまり礼儀正しくないほうがいいのだ。ちなみに店に入るなり壁のメニューをちらっと見て、座ると同時に「焼き魚定食」。これが定食屋さんでは一番いい。これを完璧にやっているおじさんを見ると思わず「わかってるねぇ〜」とうなってしまう。
さてデパートのおじさんに戻る。鯖昆布〆を買ったおじさんは、まだ買うぞ、といった感じですすむ。正面に赤福(伊勢名物のあんこののったお餅)の茶屋がある。わたしはそこに寄りたかったので「おじさん赤福に寄って!」と心の中で叫んだが、おじさんは甘いものに興味がないみたいで気にもとめていないようだった。そのまま「駅弁コーナー」へと流れるかと思いきや、そちらは興味がないのか、混んでいるからなのか、そっちには行かない。つきあたりの赤福までいっておじさんはUターンしてきた。そして甘いものには興味がないと思いきや、五家宝というきなこをまぶしたお菓子をちらっとみる。でも買わずにスタスタ歩き始めたので、もう帰るのかなと思ったらおじさんは公衆電話のブースへ行き電話をかけている。携帯は持っていないようだ。盗み聞きはしなかったけれど「今京王にいるよ、うまいもの市やっててさ、何か買って帰るよ」そんな風に家族に電話しているような気がした。
後編へ続く
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秋葉原にて ときには散歩のような尾行
http://webmage.exblog.jp/6227703/
2006-12-22T13:09:16+09:00
2006-12-22T13:09:17+09:00
2006-12-22T13:09:17+09:00
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第2回 秋葉原ー前編
喫茶店にておじさんを物色する
おじさん尾行第2回目。今回はおもしろいおじさんが多そうな街秋葉原にて。今日は編集者のSさんも一緒。心強い。
前回できなかった待ち伏せ作戦をするべく喫茶店で待ち合わせ。待ち伏せ作戦とは、おじさんがやってきそうな喫茶店でコーヒーを飲みながらいいおじさんが来るのを待つ、という喫茶店好きのわたしには一石二鳥の作戦です。事前にインターネットで「炭火珈琲庵 古炉奈(コロナ)」というところをチェックしておいた。ここのHPを見てみると、白とこげ茶色の落ち着いた店内、銀のポットでドリップするマスター、ずらりと並んだいろんなカップ。いかにも本格的な珈琲専門店でとてもおいしそうだ。しかしそこは秋葉原。単なる珈琲専門店ではわたしは惹かれない。見逃してならないのはアクセスマップのところに載ってるエントランスの写真。入口の両脇にカラフルな電球が並んでいる。それもそうだ、なにしろ電波会館 の2階にあるのだから。これを見てここしかないなと思う。
実際に入口を見たらもう少しあやしげな古臭い雰囲気を期待したが、最近改装したのだろう、、店内は広く小奇麗で重みのようなものは感じられなかった。コーヒーがおいしかっただけに少し残念。でもここは秋葉原。やっぱりおじさん率は高い。
とりあえず店内が見渡せる席に座り、珈琲を注文する。店内を眺めていると早々によさそうなおじさんが入ってきて窓際に座った。「あの人いいですよね」Sさんもピンときたらしくお互い確かめあう。満場一致でその人に決める。
というわけで今日のおじさんです。髪型はてっぺんが少々うすめだがきれいにカットされていて清潔な感じ。服装は、白いジャンパー(おじさんがよく着ている作業着のような薄い綿の羽織る服。何て呼べばいいのかわからない)にチノパン(なぜか生地はうすめ)。白っぽい服に濃い色のショルダーバックが効いている。何か買ったようで紙袋も椅子の下にある。
私たちはおじさんの背中ごしに座っていたので、トイレに行くふりをしておじさんの行動をチェック。アイスコーヒーを飲みつつ、文庫本を読みつつ、タバコをふかしつつ、なんとも優雅そうだ。しばらくおじさんの様子をうかかがいながら、Sさんとコーヒーを飲んでしゃべる。するとおじさんが急にかばんを持ち上げたので、やばい!出る!と泣く泣く大好きなコーヒーを残し慌ててお会計をする。が!おじさんはかばんを持ったままの体勢で別のものを読み出した。あてがはずれた!?とりあえずお会計しちゃったので外で待つことに。
尾行開始
階段の下でうろうろしてるとすぐにおじさんがでてきた。駅近の喫茶店なだけに、一通り買い物をして古炉奈で一服して帰る、というコースが予測でき不安があったが、秋葉原の駅とは逆方向に行ってくれた。尾行が始まる。
おじさんはまず横断歩道を渡り、わたしも好きな「ラジオデパート」にはいる。ラジオデパートは秋葉原らしい建物で、部品などに詳しくないわたしでも楽しめるおもしろいビルだ。店内は屋台のような小さい店がびっしり並んでいて、ぶらぶら見ているだけでも楽しい。
おじさんは迷いもなくエスカレーターで3階まであがる。慣れた風で、音響機器の部品らしきものを物色。店員のおばさんになにやら尋ねている。悩んだあげく、よくわからない部品(2個)を購入。計526円。
ここはお店自体が狭く、ほとんど男性客なので私たちが目立ちそうな気がしておじさんとの距離をとっていたらあっという間におじさんを見失い、あわててエスカレーターで1階へ降りる。おじさんを発見。安心したのも束の間、おじさんはゴミ箱が置いてある従業員専用の入口のようなところから出ていこうとしたので追い掛ける。するとそこは出入口兼喫煙スペースだったみたいで、おじさんは一服の真っ最中。うっかり鉢合わせするところだった。ずっと見ていられないので、少し待ってからのぞいてみるともういない!またあせる。すると出入口から少し歩いたところで携帯電話をかけていた。そしてまた電気街を歩き始める。
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秋葉原にて ときには散歩のような尾行
http://webmage.exblog.jp/6224131/
2006-12-21T19:27:00+09:00
2008-12-13T18:26:25+09:00
2006-12-21T19:27:36+09:00
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第2回 秋葉原ー後編
それにしてもこのおじさんは歩くのが遅い。とぼとぼといった感じだ。 座っていたときは60そこそこに見えたのに、歩くと急に70すぎのおじいさんに見える。がんばれと言いたくなる。
おじさんは応援されているとも知らず、マイペースにとぼとぼと、スピーカーやらステレオの部品やらが並んだ倉庫のような店に入り品物を眺める。どうも音楽好きのようだ。さらりと店内を一周し、また歩き始める。すると信号のない道路にでた。わりと交通量の多い道だが、周りの人は次々と渡っている。おじさんは渡ろうとする気配はあるものの、なかなか歩き出さない。まさかタクシー待ち?と思ったら急に走り出したのでびっくり。あっけにとられた私たちは渡るタイミングを逃す。車がきれるのを待って走っておじさんを追い掛ける。おじさんは「わたしはここにいるよー」という感じでやっぱり電気街をとぼとぼ歩いていた。
今度は「液晶ばんばん」というインパクトのある店名の店に入る。その名の通り、狭い店内に液晶モニターのみが超特価で揃っている。外で待っていると、まもなくおじさんは出てきたが逆戻りし、こちらに歩いてきた。気付かれたのかと思いあせるが、おじさんはお構いもなく私たちの目の前を通りすぎて、マニアックな中古音響機器店「真空管(有)アポロ電子」というお店に。路地にあるこのお店は小さい工場のようないちげんさんお断り的な雰囲気がした。おじさんはまたさらりと一周してでてきた。また歩き始め中央通りにでる。とぼとぼと、きょろきょろと、気はそぞろであるが迷いはないようだ。この頃から髪型が気になるのか、しきりに頭をなでつけながら歩く。そして携帯電話をまた取り出し、電話し始めた。オカルトなアナウンスが流れる雑多な変な店まで来ると、とまってメモをとっている。何か買うものを確認しているような感じだ。買い物を終えたおじさんは今度は投信スーパーセンターをのぞき見する。本当に色々な事に興味がある様子。すかさず店員に声をかけられる。何を言っているのかは聞こえなかったけど「あ、いや、ちょっと見てみただけです…」と苦笑いしているおじさんが想像できた。
店員と話し終わり、やれやれといった感じで喫煙スペースに寄る。入り口付近のベンチに座り一服。路上喫煙が禁止となった今、タバコを吸うにはその場所にいかなければならないのを知る。どうやらおじさんの頭の中にはお気に入りのお店(音響機器店中心)と喫煙スペースのマップができあがっているようだった。そしてそれはいつものコースで、週1か月1かのペースでこの散歩を楽しんでいるのだろう。部品をちょこちょこ買い集め、自作のスピーカーなんかを作るのを趣味にしてるのかもしれない。老後の楽しみを満喫しているように見えた。
おじさんにつれられて
一服したおじさんは交差点の所まで来ると、信号を待つあいだ道路沿いにある柿の木を見上げる。よくあるアジア系雑貨店の前を通れば、枝のような色の付いた細い棒をつまんでみたり、額縁屋の前を通れば店頭の世界の名画のレプリカを見てみたり、おじさんの興味は幅広いようだ。
気付けば住所は台東区上野に。中央通りから路地にはいる。おじさんは迷いなく、かくかくとまがりながら進んで行く。人気のない灰色の道路が続く。おじさんはそんな風景にぴったりなじんでいて、んーいいねぇ!とおもわずうなる。わたしは迂闊にもショッキングピンクの服を着ていた為、完全にその空気を乱していて申し訳ないとさえ思った。街とおじさんは重なって魅力的な風景になっている。みとれつつ、ついてくと、やがて右側に昔ながらの感じのいい銭湯がでてくる。へぇー!こんなところに銭湯あるんだ!また少し行くと「純喫茶 渚」というこれまた雰囲気のいい喫茶店を発見。ここいい!喫茶店好きのわたしとSさんは大興奮。尾行していることを忘れ、ここらへんいいですねぇとはしゃぐ。おじさんは淡々と歩き続け、大きな魚市場に入っていった。ここもいいぞ、と教えてもらったような気分になった。
店内は生臭く、魚介類も人もぎっしり。店員さんも威勢がいい。食いしん坊のわたしはおじさんをおいながらもキョロキョロする。そして冷蔵ケースに入ったピンク色のまぐろのさくに気をとられる。「おいしそ〜」とうっとり。おじさんは何を買うんだろう?そう思っておじさんに目を戻したら、、、いない!2、3人前にいたはずなのに!まさかまた!?でもあのおじさんの速度ならそんなに遠くに行くはずはないとSさんと躍起になって探す。「わたしこっちいきます!」「じゃあわたしこっち!」さながら刑事ドラマのように必死になる。市場は2つのビルにまたがっていたので、途中外に出られるところもあり走ってそこも探したが結局見つけられなかった。Sさんに電話して確認するがあちらもいない、とのこと。市場をぬけると御徒町の駅だったので、そこから電車に乗ったのだろう。前回に引き続き結局また見失ってしまった。
見失ってしまったのは残念だったけど、尾行終了後はすごくいい後味が残った。こっそりおじさんの後をついていったのに、途中からつれていってもらっている感覚になった。言うならば「秋葉原〜御徒町間 おじさんと巡る しっぽりお散歩」だろうか。おじさんの面白さを再確認した尾行だった。今度はどんなおじさんに会えるか楽しみだ。完
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新宿南口ータワーレコードにておじさんを考えるー前編
http://webmage.exblog.jp/6152180/
2006-12-06T18:00:08+09:00
2006-12-06T18:00:08+09:00
2006-12-06T18:00:08+09:00
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第1回 新宿ー前編
7月3日(月曜日)16:00頃 晴れ とても暑い
記念すべき初めてのおじさん尾行。
とりあえず新宿南口に行く。(わたしは新宿生まれ新宿育ちなのでとりあえずといえば新宿です)本当はルノアールで、珈琲を飲みながらおじさんを物色しようと思っていたのだけどお金がなくて断念した。長居するわけではなかったのでコーヒー1杯500円はちょっと高い。というわけで、待ち合わせの人にまじっておじさんを物色。これからそのおじさんについていくんだと思うと、変な気分がする。ちょっと細すぎるな、ちょっとかっこよすぎるな、あそこまでいくと特徴ありすぎでいやらしいな、とわたしのおじさん眼を駆使して探す。おじさんは全般的に好きだが一応好みがある。細い人よりちょっと中年太りがはいっている人のほうがいいし、顔や雰囲気がかっこよすぎてもおもしろくない。またイラストにする時、肌をピンク色にするので、服の色がそのピンク色とマッチするかどうかも重要な要素だ。
10分くらい見ていたけれどなかなか決められない。ついていくってけっこう勇気のいることだなぁと気付く。だんだんあせってきて、いい加減1人に決める。
というわけで今日のおじさんです。
髪型は、てっぺんが少々うすくなってきているが下の方はふさふさでながめ。全体的にぼさぼさ気味。整える気はなさそうだ。顔は丸顔で黒ぶち眼鏡をかけている。ひげはない。体型は中肉中背。身長は170そこそこだと思う。服装は濃いめのグリーンのタータンチェックのジャケットにグレーのズボン(しかしジャストサイズではなく少々大きめなのでおしゃれ感はなし)。かばんはナイロンのショルダータイプでノートパソコンを入れられるサイズでよくサラリーマンがもっているやつ。オレンジの糸がはいっているのでノーブランドと思う(駅なんかで牛革さいふなどと一緒に安売りしているやつ)。お金持ちではなさそうだ。年令は50代後半。あまり見かけないグリーンのタータンチェックのジャケット&乱れ気味のヘアスタイルからして、会社勤めのサラリーマンではなさそう。こんな時間に外を歩いているし、個人事業者ではないだろうか。若い時に友達と会社をおこし、儲かりはしないがなんとかここまで続けている。子供は2人。28歳くらいの娘と大学生の息子。奥さんが強くて家では完全に権限をにぎられている。娘は大学もだして社会人になった。息子が社会人になるまでもうちょっとがんばらなければならない。(途中からすべて妄想)
尾行開始!
南口の改札を出たおじさんはGAPのほうへどんどん歩いていく。わたしは後をついていく。ドキドキ。このおじさんは尾行されてるなんて思っていない。ということはもし今自分が誰かに尾行されていてもおかしくないんだ、と考えるとちょっと恐い。人を尾行するとその人は急に特別になり、自分が主役になり、通行人はわき役となる。人の後を追い掛けるだけでそんな気分になるから不思議だ。
さておじさんはなんとそのまま、若者向けのファッションビル「フラッグス」へ。え〜!?と思っているとそのまま服屋さんの「andA」へ。もしかしてファッション系の偉い人!おしゃれじゃないよ!うそでしょ!とびっくりしたが奥にエレベーターがあった。
おじさんはエレベーターが来るのを待つ。エレベーターに一緒に乗るとわたしの姿が覚えられてしまう可能性があり、どうしようかと思ったが、降りる階がわからないので乗るしかない。おじさんを見張る為にはおじさんより奥に乗る必要があったのだが、紳士なおじさんは、ベビーカーをひいたママさんを先に奥にのせ、そして自分が乗る。そんな流れでわたしは入り口付近に。人が降りるごとに自分は降りなければならず、おじさんがいつ降りるかわからない。おじさんをちらちら確認しながらエレベーターに戻る。5階くらいで奥に入れたので一安心。
9階でおじさんが降りた。なるほど、タワレコ(タワーレコード)か。おじさんはクラシックコーナーを物色し始めた。わたしはクラシックにまるで興味はないが、てもちぶさたなのでとりあえず視聴、クラシックファンを演じる。CDジャケットを見たりしながら熱心に視聴しているわたし。おじさんはNEW リリースコーナーを丁寧に見ている。おじさんが見えなくなれば、見える視聴コーナーに移動。しかしおじさんの動きが停滞気味だ。
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新宿南口ータワーレコードにておじさんを考えるー後編
http://webmage.exblog.jp/6106321/
2006-11-27T19:41:00+09:00
2008-12-13T18:12:40+09:00
2006-11-27T19:41:04+09:00
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第1回 新宿ー後編
つまんないなぁとあたりを見回してみると、おじさんばかりいることに気付く。しかも良質なおじさん(なんとなく寂し気な味のある、絵になりそうなおじさん)ばかり。みんなくたっとした背広で、いかにも仕事の合間の休憩。午後4時のクラシックコーナーにはおじさんが多いらしい。これはいいところを見つけたぞ。今度またおじさんチェックに来てみよう。
●視聴するおじさん
さて、NEW リリースコーナーを見終わったおじさんは次にリコメンドコーナーで視聴を始めた。かなり熱心に視聴している。
足でリズムをとるわけでもなく、ただ静かに聴いている。かれこれ20分。長いなぁ。さすがに飽き飽きしているとようやく一枚のCDを持って視聴をやめた。購入する一枚を決めたようだ。わたしはすかさずそこのブースに行き、ヘッドフォンをあててみる。おじさんは停止を押していなかったので続いて流れていた。いわゆる普通のクラシックのオーケストラで、詳しくないわたしにはどこがいいのかはちょっとわからない。おじさんが持っていたCDのジャケットを見ておいたので、同じものを探す。すると、その CDだけ690円だった。他は1500〜2500円。「…」本当にそのCDが一番欲しかったのかもしれない。でも、どうしても少ないおこづかいの中でクラシックを楽しむおじさんを想像してしまう。ささやかな楽しみなのかなと思うと、自分の父親と重なったりしてちょっとせつなくなってしまった。
レジに行くと思いきや、またクラシックの棚を見始めた。もう40分くらいたっているのに。ちょっと〜まだ見るのか。
そろそろ移動してもらわないと文章書けないよ、と申し訳ないがイライラする。
●あっけなく、第一回目の尾行終了
しかもフロアーはクーラーがガンガン効いていて、トイレに行きたくなる。まずいなぁ。トイレに行っているうちにおじさんを見失ってしまうかもしれない。そう思って我慢するが、おじさんは一向に動く気配がない。大丈夫だろう。おじさんを信じてトイレに行くことにした。
トイレは下の階にしかないということでエスカレーターでおり、用を足して急いで戻ってきた。さぁおじさん、これからどこに行くかがおもしろいところだ、とおじさんを探すが、いない!いない!いない!いないよ〜!わたしの心配は見事適中。
わたしに気付いていたかのごとく、おじさんはわたしのいないスキにどこかへ行ってしまったのでした。
あっけなく第一回目の尾行は終わってしまった。
それにしてもおじさんはあの後どこに行ったのだろう。まだ5時だから家に帰るには早そうだ。急に帰っちゃったし、待ち合わせでもあったのかもしれない。取引先と新宿で一杯やる前にちょっとタワレコに寄り道したのかも。もしくはタワレコの次はスーパーに寄って、チーズと赤ワインを購入。家には帰らず、事務所にもどって例のCDを聞きながら晩酌かもしれない。無機質で雑多な事務所にはちょっといいこだわりのスピーカーがあって、小さな冷蔵庫があって、中には3日前に買った白ワインがはいっている。そろそろ白ワインにも飽きてきたので今日は赤ワインを買ってみた。お腹もすいてきたころだけど、家に帰れば奥さんの手料理があるのでおなかいっぱいになってはいけない。チーズとワインでちょこっと晩酌。CDをゆっくり聞きつつほろよい気分。こういう時「これが個人経営のいいところだ」と思う。CDを聞き終わればもう7時。コップを洗って、事務所のゴミをまとめて、ゴミ袋をもって電気を消す。そして2駅先の家に帰っていく。(途中からすべて妄想)完]]>
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